東広島医療センター入口前家族葬ホール
お知らせ
News葬儀プラン:家族葬プラン
葬儀会場:アーバンはるか会館
葬儀実施日:4月1日
会葬者数:4名
桜が舞うこの季節、大きなランドセルを背負って学校に行く一年生を見ることもあるでしょう。
ランドセルが歩いている!と思えるようにかわいい後ろ姿に思わず微笑んでしまいます。
これから、勉強やスポーツ、友達との関係に泣き笑い…いろんなことがあるけれど宿題や行事に一生懸命の姿を見ると健気で愛おしいものです。
一年生にとってランドセルは背中についた羽のよう成長を見守り支え、後押ししてくれるような頼もしい羽。
いつか羽がなくても飛んでいける日が来るのでしょうか?
健気で愛おしい子供たちを育てたお母さんも時が来て飛び立っていきました。
子供たちは大人になってそれぞれの家庭を作り 巣立ちを終えたときでした。
突然の知らせにお子様たちの悲しみは深くお母さんの問いに答えられない苦しみと闘っていました。
思えば、お母さんは子供たちにきちんと生きることを教えました。
外から帰ったときは「足をしっかり洗いなさい」と。
宿題は学校からだけではなくお母さんからも宿題がありました。
長男様はお母さんの性格を受け継ぎ家の宿題もきっちりこなし、次男様は宿題をやってなくてお母さんに怒られていたという懐かしい日々もありました。
教育に熱心で、自身も問題を解くことが好き。
IQ130を誇るお母さん。難しい問題こそお母さんの楽しみ。
毎月買っていた「難解クロスワードパズル」でその実力も発揮されていたようです。
家族はお父さんの運転する車でいろいろなところへ行きました。
でもお母さんは車酔いしやすくていつもぐったり。
それでもドライブ旅行には必ずついていっていました。
こうして家族はひとつになるということを教えてくれました。
こうして仲の良い両親を見て育ったお子様たち。
それがお子様たちの安心の羽になっていたのかもしれませんね。
葬儀は家族だけでささやかに行われました。
「はるか」でもこれまで行ったことがない特別な葬儀でした。
司会のスタッフより、問題が出されました。
問題、幼いころ家に帰ったらまずどこを洗っていましたか?
問題、毎月買っていた難題を解くパズルはどんなパズルでしたか?
問題、大好きだったお好み焼きのお店の名前は?
問題、兄はきっちりと、弟は怒られていたという、学校からではなく家から出されていたものは?
問題、お父さんのことが大好きだった人は?
問題、これまでの問題の答えから連想できる人は?
小さな家族葬ホールに、思い出がいっぱいになりました。
お子様たちは、思い出をたどりながら問題の答えをはっきりと心に書いているのです。
お別れの花を手向けた後、スタッフが問題を出しました。
「お母さんと最後に手をつないだのはいつですか?」
お子様たちは覚えていないという様子。
「今日という日、お母さんと手を繋いだ記念日にしませんか?」
それからしっかりとお母さんの手を握りしめたお子様たち。
答えは言葉や文字だけではないということもあります。
この日の導師様のお勤めで歌の歌詞の朗読がありました。
「さようなら ありがとう」という歌でした。
懐かしい匂いがしたら
いつものようにわらってね
今、空に向けて ただ安らかに
羽ばたく背中をごらんよ
右の羽にはさようなら 左側にはありがとう
火葬場から帰ってきたお子様たちを待っていたのはお母さんの左手から型をとり、いつでもその手に自分の手を重ねることができるようになっている手型でした。
これから思い出に寄り添いたいとき、お母さんに褒められたいとき、叱られたいとき、いつでもここにお母さんがいます。
重ねる手と手、思いを繋ぐ それは大切な羽。
お母さんにも羽があるのです。
お母さんから出された宿題は生まれてから今日までの思いを表すこと。
ランドセルが羽になって飛び立ちずっと背中で支えてくれたお母さんへ答えは「ありがとう」
お子様たちはずっとその羽で飛び立ったことを忘れないでしょう。