東広島医療センター入口前家族葬ホール
お知らせ
News葬儀プラン:はるか葬
葬儀実施日:令和元年12月27日
葬儀場所:はるか会館
葬儀会葬者:12名
明るくておしゃべり好きのお父さん。
年の瀬が迫った頃、お父さんは言いました。
「牡蠣の入ったお雑煮が食べたい」
3年前から何度も言っていたお父さんの願い。
「一緒に食べようね」
その度に胸を痛めながら、こう答えていたご家族様…。
もう何年も病院で流動食を食べていたのでした。
翌日。
あなたは永遠の眠りにつきました――。
自分らしく歩んだ98年の人生でした。
そんな父を「放浪の人」と語るお子様。
二人のお子様が社会へ出てからは、お正月に会う程度。
皆、それぞれの道を歩んでいました。
お子様とお父様が密に接するようになったのは、7~8年程前からだといいます。
長い人生の中で大きな病も3度乗り越えましたが、晩年は病気との闘いの日々でした。
辛い毎日でしたね。
そんな中見せてくれていたあなたの笑顔に、ご家族様はあたたかい気持ちをいただいていたことでしょう。
「笑顔がいい人だった」
と語る息子様の姿が印象的でした。
やがてあなたは、新しい年を迎えることなく、安らかな場所へと旅立ちました。
お餅が大好きだったお父さん。
前日に交わした会話は、大好きなお持ちの話。
自然と笑顔がこぼれます。
叶えてあげることの出来なかった約束を”後悔”として、いつまでも背負ってしまわないように――
かけがえのない時間を過ごして頂けるように――
”一杯のお椀”に私たちの想いを託しました。
お通夜が終わり、皆での食事が始まります。
そこでお出しした”牡蠣の入ったお雑煮”
涙を流すお子様。
笑顔をこぼすご親族様。
お孫さんにも、曾孫さんにも、皆様に召し上がって頂きました。
笑顔と涙に包まれた空間に私たちの心もあたたかくなりました。
「おじいちゃん良かったね」
そう言って、お棺の傍で涙を流していたご家族様。
のちに
「ずっとおじいちゃんに嘘をついていたのが心苦しかった」
とお気持ちをお話しくださいました。
喜び、涙を流されていたご家族様の姿を私たちは胸に刻む――。
――たった一つの命だから、想いを大切に――
そんなことを教えてくれたご縁でした。